演技構成点(PCS:プログラムコンポーネントスコア)とは?

「フィギュアスケートの採点方法」で解説した通り、競技の採点は「技術点」+「演技構成点」-「減点」で決定されています。
ここでは、このうち演技構成点(PCS:プログラムコンポーネントスコア)について詳しく解説していきます。

芸術とスポーツの共存する競技 ~演技構成点のジャッジの難しさ

フィギュアスケートの芸術的な面を点数化する演技構成点は、採点基準について常に議論が絶えないポイントでもあります。
国際スケート連盟は、演技構成点の採点基準を明確に定めたり、ジャッジの会議や毎年のセミナーを開催するなどして、共通の採点認識の下でジャッジできる体制を整えようとしています。

なお、「フィギュアスケートの採点方法」でも解説したとおり、演技構成点の5つの項目のは、「スケーティング技術」「つなぎのフットワークと動作」「演技と実行」「振り付け/構成」「音楽の解釈」となっています。各項目とも10点満点で、0.25点刻みで評価されます。技術点との大きな違いは、満点が存在する点で、したがってすべての面において完ぺきな演技をすれば5項目で10点満点となります。

以下では、演技構成点の5つの項目について、詳しく解説していきます。

スケーティング技術

スピードの緩急、左右への複雑な動き、全体のスムーズさなど、あらゆる足元の能力を総合的に判断します。スピードの調整が難しいフットワークをしながら自在に加減速するなど、音楽の緩急とスケーティングが一致した場合など高度な表現とされます。

つなぎのフットワークと動作

ジャンプ、スピン、ステップシークエンスなどのすべての要素をつなぐ際に、いかに複雑で多様な動作をしているかが評価されます。ジャンプの前には、どうしても助走で構える時間が必要になることから、どの選手も5項目のうち最も低くなる傾向があります。

演技と実行

一般的なイメージでいう「芸術点」に最も近い項目です。体のふるまい、音楽とマッチする感情表現、そして選手独自の世界観などが評価されます。転倒などのミスによって演技がぶつ切りの印象になってしまった場合は、こちらの評価も低くなります。
羽生結弦がショートプログラムで史上初の100点を超える評価をたたき出した「パリの散歩道」では、この「演技と実行」が最も高く評価され9.5でした。

振り付け/構成

これは振り付けの良し悪しではなく、リンク全体をバランス良く使えたかなどの、作品全体のデザイン性を評価する項目です。例えば、リンクの片側ばかりに偏っていたり、左右だけの動きがメインになってしまうなど、単純で平面的な構成は、評価が低くなります。逆に、氷面全体をたっぷりと使い空間の広さを感じさせたリ、目線を足元に落としたり遠くを見つめるなど、上下左右を意識した三次元的な構成ができると、デザイン性が高いと評価されます。

音楽の解釈

動きが音楽とマッチしていてリズミカルかどうかを評価します。ゆったりした音楽ではなめらかで心安らぐ動き、アップテンポな音楽では心躍るような弾む動きができた場合、また民族音楽独特のステップなどをうまく身体で表現できている場合は、評価が高まります。