アイスダンス:競技内容とルールの概要

ここでは、アイスダンスの基本的な競技内容とルールについて解説します。

アイスダンスの競技は、ペアと同様、女性と男性1名ずつでカップルを組んで行います。競技は、ショートダンスとフリーダンスの2種目、パターンダンスとフリーダンスの2種目もしくはフリーダンスのみの1種目を行います。

アイスダンスの特徴は、なんといってもその芸術性の高さです。

アイスダンスは別名、「氷上の社交ダンス」とも呼ばれていますが、実際のところは、社交ダンスのみならず、バレエやコンテンポラリーダンス、ジャズダンス、ヒップホップや世界各国のフォークダンスなど、古今東西のあらゆるダンスの要素が盛り込まれています。

男女のカップルが、息の合った卓越したスケーティングの技術を披露すべく、社交ダンスのようにホールドを組んだり、離れて2人の動きを完全にシンクロさせるなどして観客を魅了します。また、音楽とのマッチングも評価の大事なポイントとなっています。

他の種目では最近まで禁止されていたヴォーカル入りの曲が使用可能であることや、衣装の華やかさなど、ほかの3種目とは色々な面で違った魅力が楽しめるのがアイスダンスです。

ペアスケーティングとの違い

アイスダンスは、ペアスケーティングと同様、女性と男性1名ずつでカップルを組んで行いますが、いくつかペアスケーティングと異なる点があります。

第一に、リフトの一部(男性が女性を頭の上に持ち上げるもの、男性の肩や背中に女性が座ったり、立ったりするもの)や、 ジャンプは禁止されているという点です。

アクロバティックでダイナミックな技があるペアスケーティングと比べて、アイスダンスは、こうした華やかな技がないため初心者の観客にとっては評価の優劣が分かりにくい面があります。ただし、ステップなど、滑りの技術をより強調してみせるための要素が細かく設定されており、その魅力を知れば、奥の深さが味わえる競技となるはずです。

第二に、女性と男性が離れての演技は基本的には禁止されている点です。そのため男性が女性を投げる技はありません。

パターンダンスのルール

昨季より名称がコンパルソリーダンスから変更されたのが、パターンダンスです。大会組織委員会の指定する2、または3種類のリズムとテンポを用いて、規定のステップ・パターンを滑走します。

ショートダンスのルール

オリジナルダンスに変わるものとして昨季より採用されたのが、ショートダンスです。「パターンダンスパート」と「クリエイティヴパート」で構成されています。2分40秒~3分以内の演技時間のなかで、シーズン毎に定められたリズムとテーマに合わせて、5つの要素が盛り込まれたプログラムを滑走することが求められます。今季のリズムと、5つの要素は下記のとおりです。

リズム

  • パターンダンスパート ポルカ
  • クリエイティヴパート マーチ、ワルツ

要素

  • パターンダンスパート
    • 規定2要素:ヤンキーポルカを2セクション
  • クリエイティヴパート
    • 規定3要素:ショートリフト1回、ミッドライン・ノットタッチング・ステップシークエンスまたはサーキュラー・ノットタッチング・ステップ・シークエンス1回、シークエンシャルツイズル1回

音楽については、シーズン毎にリズムとテンポが指定されており、その中で自由に選定したものを使用できます。ヴォーカル入りの音楽も使用可能です。

フリーダンスのルール

フリーダンスは、自由なリズムで構成されたプログラムです。3分50秒~4分10秒以内の演技時間のなかで、定められた演技要素をこなし、バランスの良いプログラムを滑走することが求められます。

定められた演技要素は下記のとおりです。

  • ショートリフト
  • ロングリフト
  • コレオグラフィック・ダンスリフト
  • ダンススピン
  • ストレートラインステップシークエンス・イン・ホールド
  • カーヴド・ステップシークエンス・イン・ホールド
  • シンクロナイズドツイズル

音楽については、自由に選定したものを使用でき、ヴォーカル入りの音楽も使用可能です。

アイスダンスのリフト

アイスダンスには、シングル、ペアとは全く違う技がたくさんありますが、その中でも特徴的なのがダンスリフトです。

アイスダンスのリフトは、冒頭で説明した通り、ペアのリフトとは全く異なり、男性の頭の位置よりも上にパートナーを持ち上げること、男性の肩や背中に女性が座ったり、立ったりすることなどが禁じられています。

アイスダンスリフトは、ショートリフトと、ロングリフトの2種類にそれぞれ大別できます。前者は6秒以内、後者は12秒以内のリフトです。

それぞれの種類は以下の通りとなっています。

ショートリフト

  • ステーショナルリフト
    • 1か所で止まったまま行うリフトです。男性がその位置で回転するかどうかは自由。
  • ストレートラインリフト
    • 男性が女性を持ち上げ、直線に滑るリフトです。
  • カーブリフト
    • 男性が女性を持ち上げ、曲線を描いて滑るリフトです。
  • ロテーショナルリフト
    • 男性が女性を持ち上げ、時計回りあるいは反時計回りに回転するリフトです。

ロングリフト

  • リバースロテーショナルリフト
    • 男性が女性を持ち上げ、時計回り、反時計回りの両方の回転を行いながら滑るリフトです。
  • サーペンタインリフト
    • 男性が女性を持ち上げ、S字型を描くように滑るリフトです。
  • コンビネーションリフト
    • ショートリフト4種類のうちの2種類を組み合わせたリフトです。