スケートリンク:サイズや作り方を解説

ここでは、フィギュアスケートの演技が行われるスケートリンクについて、解説していきます。

スケートリンクのサイズの規定

フィギュアスケートに使用するスケートリンクのサイズについて、ISUではこの様に明記されています。

  • 「60m×30m」が望ましい。また、これより大きいサイズでないようにする。
  • 「56m×26m」以上のサイズであること。

北米では、「60m×30m」のリンクはあまりなく、アイスホッケーの試合で使用される「約61m×約26m(正確には200フィート×85フィート)」のリンクの方が一般的です。カナダで行われた2013年の世界選手権でこのサイズのリンクで行われ、幅が通常より約4メートル短いためリンクサイドの壁に衝突する選手もでました。通常のリンクサイズに慣れている選手にとっては、ジャンプの助走の歩数を変える、加速しすぎてカーブを曲がり切れなくならないようにするなどの注意が必要です。男子の4回転ジャンプ、ペアのリフトやツイストなどを行う際は、リンクのサイズは重要な要素となります。長い助走をして加速する必要があるためです。

氷の状態

一見特に違いがないように見えるリンクでも、会場ごとに氷の質が微妙に異なり、滑り心地が変わってきます。また、会場の温度なども影響してきます。選手は、ジャンプのテイクオフの仕方などを氷の状態によって微妙に調整しています。

氷の質が、演技に決定的な影響を与えてしまう場合もあります。2013年カナダ・ロンドンの世界選手権では、同じ場所でスピンに入ろうとした選手が何人も転倒するということがありました。このような氷の状態を「はじかれる」「エッジが抜けやすい」「パサパサしている」などと表現します。

氷の硬さ

硬い氷は横滑りしやすいですが、よく滑ることができます。逆に柔らかい氷は足をとられやすいです。こうした氷の状態を選手がチェックする意味でも、当日の本番前の練習は大変重要です。

ちなみに、ちょうど良い氷の硬さは、競技によって異なっています。スピードにあふれ機敏な動きが要求されるアイスホッケーの場合は、ブレーキがかけやすくパットが正確に滑るよう、堅い氷をつくります。一方、スケートの場合はホッケーよりも柔らかい氷が適しています。フィギュアスケートならよく滑り、美しいトレース跡が残るように乾いた氷を、一般のスケート場では氷が削られにくいよう、湿った氷をつくります。温度を微妙に調整することによって、行われる種目に適した氷を作っています。

 

スケートリンクの作り方

スケートリンクに張られている巨大な氷は、どうやって作るのでしょうか。

まずは、何もない会場に防水シートや断熱材を敷きます。さらに板を敷いて、平らな場所を作ります。

そのうえに冷却パイプと呼ばれる、直径1センチほどの細いホースのような管を張り巡らせていきます。この冷却パイプに、0度以下の冷却水と呼ばれるものを通すことで、氷が作られていきます。

氷づくりは、たとえば代々木競技場第一体育館の場合、氷厚8cmに積み上げるまで5日間、昼夜120時間もの時間がかかります。1回に0.3~0.5mm程度、1cmの厚さ氷をつくるのに30分に1回の散水を約20回、という細やかな作業が行われています。こうしてつくられた、リンクを覆う一枚の氷は固くて強度があり、きめも細かいため、フィギュアスケートのような繊細な滑りにも耐えるものとなります。

最終的には、冷却パイプが透けて見えてしまうと美しくないため、氷に白く着色を施します。