スパイラルとは?様々なバリエーション、ルールの変遷など

ここでは、フィギュアスケートの演技の中でも特に女子の魅せ場となる、スパイラルについて解説していきます。

スパイラルとは、フリーレッグ(滑っていない方の足)を、腰よりも高い位置にキープして滑ることをいいます。

ただ高く足が上がっていればよいというわけではなく、スピードがあることと同時に、軌道が丸くて美しく、また足元から体全体へ向かってのびやかなつながりがあり四肢も伸びているような姿勢を保つことが、美しいスパイラルの条件となっています。

スパイラル ルール変更前の問題点

以前は、スパイラルは、1から4のレベル付けがなされており、高いレベルをとれば、高い基礎点が与えられました。レベルは、たとえばキャッチフットやビールマンなどの難しい姿勢、スパイラルのポジションでのエッジの変更など、高い技術をもつと判定されるものを行えば上がりました。さらに姿勢の美しさやスピードといった出来栄えは、GOEによって評価されていました。

この審査基準においては、世界トップレベルの選手となると皆レベル4を狙うため、女子シングルのスパイラルシークエンスがどれも似通った構成になるという問題が出てきました。

スパイラルをめぐるルールの変更

そのため、2010年からはレベル認定がなくなり、コレオスパイラルと呼ばれるものに変更されました。これは、2つの異なるポジションをそれぞれ3秒以上保つか、1つのポジションで6秒以上保てば認定されます。姿勢の美しさやスピードといった出来栄えがGOEによって評価される点は以前と変わりませんが、レベル判定が無くなった分、GOEでの評価幅が大きくなりました。

選手にとっては、スパイラルの選択肢が増え、自分の得意なスパイラルを美しく披露すればその分評価も高まるという結果になりました。

以下では、スパイラルのバリエーションについて解説していきます。

Y字

フリーレッグのかかとを手で支えて、顔より高いところまで持ち上げます。体全体がアルファベットのYを描くように見えます。両方の足ともに膝が曲がらないように伸ばし、状態はやや後ろにそらせるように胸をはると、バランスよく見えます。また、スケーティングレッグから、空いている手までの一連のラインがスッとなめらかな線を描き天井へ向かっていると、美しく見えます。

キャッチフット

フリーレッグを、フリーレッグとは逆側の手でつかみ、頭の上に持ち上げます。スケーティングレッグから、胸部の張り、足を持った手までの一連の流れが弓のようになめらかな曲線を描くポジションが美しいとされています。また、なるべく足を高く引き上げて顔も上へ向けることで、立体感や高さを演出することができます。

ファンスパイラル

最も基本的なスパイラルのひとつです。軸足はバックサイドエッジのままで、フリーレッグを腰の高さよりも高く上げて滑るスタイルです。何も支えもないまま後ろ向きに滑っているように見えます。重心をうまくとりつつ、上体を反らすと美しく見えます。

アラベスク

最も基本的なスパイラルのひとつです。フリーレッグを後方に上げて、スケーティングレッグと180度に近い開脚状態で滑ります。上体を前に倒して両手を大きくひらき、バレエのアラベスクのような状態となります。上げた足の高さも重要ですが、エッジにきちんと乗っていて、頭があまり下がらず、胸を張った姿勢で顔をしっかり上げて滑ることで高い評価を得られます。

アラベスクでのチェンジエッジ

アラベスクの姿勢で、インサイドからアウトサイドにチェンジエッジすることがよく行われます。インサイドでは、フリーレッグが内側に落ちてしまわないよう、腰の上の方にあげて体重を乗せます。チェンジエッジする際には、股関節を意識して重心を調節します。アウトサイドに上手く乗ったら、フリーレッグのつま先が外を向くようにします。

ケリガンスパイラル

アラベスクの姿勢から、手でフリーレッグの膝近辺を掴んだ状態で行うスパイラルです。ナンシー・ケリガン選手が得意としていたことから、ケリガンスパイラルと呼ばれています。

ビールマンスパイラル

フリーレッグを手でもち、背中から頭の上まで高くひきあげたビールマンポジションで行うスパイラルのことです。高い柔軟性が求められるため、行うのは女子選手がほとんどですが、まれに男子選手でも行える人もいます。いずれにせよ、二重関節体質か、あるいは幼少からのストレッチを行っていないと行えない難しい技です。

シャーロット スパイラル

フリーレッグを高く上げ、スケーティングレッグのつま先に頭を近づけた状態で行うスパイラルです。フリーレッグと状態が一直線のように見えると、大変美しく見えます。後方に進むシャーロットスパイラルが一般的で、柔軟性の高い選手は前方向へ進むこともできます。

 

以上が主なスパイラルの解説でした。優雅さや、曲想の情緒を表現するのに欠かせないスパイラル。観戦時にはぜひ注目してみて下さい。