女子シングル: 競技内容とルールの概要

フィギュアスケートの女子シングルの基本的な競技内容とルールについて解説します。

女子シングルの競技は、スケート連盟の公式大会等ではショートプログラム(SP)とフリースケーティング(FS)の2部構成となっています。

ただし、競技大会によってはショートプログラムを省き、フリースケーティングのみを実施するなど形式が変わることがあります。

 

女子ショートプログラムのルール


女子ショートプログラムは、演技時間は2分50秒と定められており、演技者が選んだ音楽に合わせ、指定された要素(ジャンプやスピン、ステップなど)をこなすことが求められます。

プログラムには以下の要素を盛り込みます。

  • ジャンプ
  • 難しい入り方からの3回転の単独ジャンプ(複数のつなぎのステップやフリースケーティング動作からただちに行う)
  • トリプルアクセルもしくはダブルアクセル
  • コンビネーションジャンプ(3回転と2回転、もしくは3回転と3回転の組み合わせ)
  • スピン
  • 1回のみの足換えありのスピン・コンビネーション
  • レイバックあるいはサイドウェイズ・リーニング・スピン
  • フライングスピン
  • ステップシークエンス
    同じ種類のジャンプを二度飛んでしまうなど、要素の重複は許されておらず、その分の得点は加算されません。

ショートプログラムではフリースケーティングに比べて細かい規定があり、規定を満たさない場合には演技要素の得点が0点になったり、減点が発生したり、GOE(出来栄え点)にマイナスの評価がついたりします。

ジュニア、シニアと、年齢別のクラスによってもルールは多少異なりますが、ここでは主にシニアを中心として解説します。

女子に特有のジャンプ要素

女子シングルのショートプログラムでは、4回転ジャンプは要素として認められていません。
そのため、いかに難易度の高い3回転ジャンプをミスなくこなすかが勝負の分かれ目になってきます。

かつては3回転+3回転の連続ジャンプは一握りのスケーターにしかできない技でしたが、昨今の女子シングルのトップスケーターのほとんどが飛ぶようになりました。

特に難易度が高いと言われる「トリプルルッツ+トリプルトウループ」などの大技も、いまや目にすることが少なくありません。

女子に特有のスピン要素

女子シングルでは「レイバックあるいは サイドウェイズ・リーニング・ スピン」を行う必要がありますが、この部分は男子シングルでは、「足換えありの単一姿勢のスピン」と規定されています。

レイバックスピン、サイドウェイズ・リーニング・スピンともに、身体を大きく曲げる必要がありますから、男子選手よりも身体が柔軟なことの多い女子選手に合わせた規定であるといえます。

女子シングルの競技では、片足を後ろに大きく剃りあげ、エッジを手で掴んでまわる「ビールマン・スピン」もよく見かけます。

このビールマン・スピンは「レイバックスピン」の1種で、しっかりと回転をしきることができればレベルを上げる特徴とみなされます。

スピンの採点法、ショートプログラムのルールについての詳細な解説は別途記事を作成予定です。

 

女子フリースケーティングのルール


フリースケーティングでは、ジュニアが3分30秒、シニアが4分となります。ただし、演技時間には±10秒の増減は認められています。

フリースケーティングはショートプログラムより演技構成の選択肢に大きな自由度が認められていますが、演技が単調になることを避け、様々な要素を組み合わせた魅力的なプログラムができるよう、ある程度の制約が課されています。

フリースケーティングでは以下の要素を盛り込みます。

  • ジャンプ
  • 7つのジャンプ
  • 最低1つのアクセルジャンプを含む。
  • ただし、2回転ジャンプは全体を通して2回まで(コンビネーションに組み込む場合も含む)。
  • 3回転または4回転ジャンプは、同一種類のものは2回までしか飛べず、2回とも単独ジャンプの場合は2回めのジャンプの点数が70%になる。2回のうち1回をコンビネーションにすれば点数は通常踊り加算される。
  • ジャンプコンビネーションまたはジャンプシークエンスは3回まで実施かのう。うち3つのジャンプを組み合わせたものは1回だけ飛べる。
  • スピン
  • スピン・コンビネーション、単一姿勢のスピン、フライングスピン(またはフライング・エントランスのスピン)をそれぞれ1つまでとした、最大3つまでのスピン
    まったく同じスピンを重複させることはできない(2回以降に実施されたスピン要素は0点になる)。
  • ステップシークエンス
  • コレオグラフィックシークエンス

フリースケーティングの構成は男子とほぼ変わらず、違う点はジャンプの数のみです。男子は8つまでのジャンプが可能であるのに対し、女子はジュニア・シニアともにジャンプは7つまでとなっています。

また、演技時間も男子より30秒短くなっています。