フリースケーティングの試合の流れ

ここでは、フィギュアスケートの競技のうち、フリースケーティングについて解説します。

フリースケーティングは、男女シングル、ペアにおける2つのプログラムのうち、後に滑るものです(先に滑るものは「ショートプログラム」です)。

 

時間

フリースケーティングの演技時間は、シニアの場合、男子シングルとペアで4分30秒、女子シングルで4分です。ただし10秒以内の増減は認められています。

時間は、選手が動き出したところからカウントを開始し、選手が停止したらカウントをストップします。音楽の開始と終わりとは関係ありません。

音楽は、自由に選曲したものを使用できます。

 

エレメンツ

フリースケーティングには、エレメンツと呼ばれる要素があります。(男子シングルでは13個、女子シングルとペアにおいては12個あります)これを滑ると技術点が認められます。これら以外のエレメンツを盛り込んでも技術点は認められません。

13個のエレメンツは男女シングル、ペアで異なり、下記で解説します。

 

男子シングルのエレメンツ

男子シングルのエレメンツは下記の通りです。

  • 1~8 ジャンプ
    • 最大8つまで可能
    • ただしアクセルジャンプを最低1つ入れる
    • コンビネーションジャンプ・ジャンプシークエンスは最大3つまで
    • 3連続のコンビネーションジャンプは1つまで
    • ジャンプシークエンスは1つまで
  • 9~11 スピン
    •  最大3つまで可能
    • すべてのスピンは異なる性質のもの
    • 各スピンが「コンビネーションスピン」「フライングスピン」「単一姿勢のスピン」を1つずつ満たすこと
  • 12 ステップシークエンス
    • 最大1つまで可能
  • 13 コレオグラフィックシークエンス
    • 最大1つまで可能
    • 12のあとに行う

 

女子シングルのエレメンツ

  • 1~7 ジャンプ
    • 最大7つまで可能
    • ただしアクセルジャンプを最低1つ入れる
    • コンビネーションジャンプ・ジャンプシークエンスは最大3つまで
    • 3連続のコンビネーションジャンプは1つまで
    • ジャンプシークエンスは1つまで
  • 8~10 スピン
    • 最大3つまで可能
    • すべてのスピンは異なる性質のもの
    • 各スピンが「コンビネーションスピン」「フライングスピン」「単一姿勢のスピン」をひとつずつ満たすこと
  • 11 ステップシークエンス
    • 最大1つまで可能
  • 12 コレオグラフィックシークエンス
    • 最大1つまで可能
    • 11のあとに行う
    • 任意の長さの少なくとも一つの(キックでない)スパイラルをふくむ

 

ペアのエレメンツ

ペアのエレメンツは下記の通りです。

  • 1~2 サイド・バイ・サイドのソロジャンプ
    • 最大2つまで可能
    • コンビネーションジャンプ・ジャンプシークエンスは最大1つまで
    • 3連続のコンビネーションジャンプは1つまで
  • 3~4 スロージャンプ
    • 異なる種類のスロージャンプを最大2つまで可能
  • 5 ツイストリフト
    • 最大1つまで可能
  • 6~8 リフト
    • 異なる種類のリフトを最大3つまで可能
    • そのうち1つはハンドトゥヒップリフトか、ハンドトゥハンドリフト
  • 9 ソロスピン
    • 最大1つまで可能
  • 10 ペアスピン
    • 最大1つまで可能
  • 11 デススパイラル
    • ショートプログラムとは別な種類を最大1つまで可能
  • 12 コレオグラフィックシークエンス
    • 任意の長さの少なくとも1つの(キックでない)スパイラルを含み、最大1つまで可能

 

繰り返し違反

ジャンプにはいくつか制約があります。

まず、ダブルアクセルは、ソロジャンプでもコンビネーションジャンプ・ジャンプシークエンスでも、全部で2回を超えて飛んではいけません。

また、全ての3回転および4回転ジャンプのうち、2種類のみを繰り返すことができ、繰り返す場合には、コンビネーションジャンプまたはジャンプシークエンスの中でなければいけません。

こうしたルールを破ることは「繰り返し違反」と呼ばれます。

繰り返し違反をした場合、後に行われたジャンプ要素(コンビネーションジャンプ・ジャンプシークエンスの場合は、そのジャンプボックス)がinvalid elementとしてプロトコルに*がついて0点になってしまいます。

 

後半ボーナス

男女シングル・ペアで行われるジャンプ要素には、後半ボーナスというものがあります。4分30秒の演技であれば、2分15秒経過以降に跳んだジャンプは基礎点が1.1倍になるというものです。

 

ソチオリンピック、2014世界選手権での浅田真央選手の「魂のフリー」

ソチオリンピックにおいて、浅田真央選手は女子シングルのショートプログラムにおいて転倒が相次ぎ16位という不本意な成績となりましたが、翌日のフリースケーティングで、女子史上初となる全6種類、計8度の3回転ジャンプをすべて成功させ142.71点と自己ベストを更新し3位となりました。総合成績では、ショートプログラムの成績が響き表彰台には届かなかったものの、つづく世界選手権2014ではオリンピックと同じフリースケーティングに挑み、見事優勝を果たしました。

このようなショートプログラムからの逆転劇や、選手の不屈の精神力、様々な駆け引きなどのドラマを味わえるのもフリースケーティングの魅力の一つです。