アイスダンス: フリーダンスの演技要素

ここでは、フィギュアスケートの競技のうちフリーダンスについて解説します。

フリースケーティングは、アイスダンスにおける2つのプログラムのうち、後に滑るものです(先に滑るものは「ショートダンス」です)。

 

時間

フリーダンスの演技時間は、4分です。ただし10秒以内の増減は認められています。

時間は、選手が動き出した所からカウントを開始し、選手が停止したらカウントをストップします。音楽の開始と終わりとは関係ありません。

音楽については、自由に選定したものを使用できます。ヴォーカル入りの音楽も使用可能です。

 

エレメンツ

フリーダンスは、5つのエレメンツが盛り込まれたプログラムをれます。これを滑ると技術点が認められます。

 

A ステップシークエンス

2つのホールドを組んで行います。

[1]ストレートライン・ステップ・シークェンス・イン・ホールド(ミッドラインもしくはダイアゴナル・ステップシークエンス)

[2]カーブド・ステップ・シークェンス・イン・ホールド(サーキュラーもしくはサーペンタイン・ステップシークエンス)

 

B ダンスリフト

「最大1つのショート・リフト(6秒以内のリフト)とコンビネーション・リフト」あるいは「最大3種類のショート・リフト」を組み込まないといけません。

 

D セット・オブ・シンクロナイズド・ツイズル

1回のみ。

 

D ダンス・スピン

男女が組んでスピンをします。最大1つのダンス・スピン、もしくはコンビネーション・スピンを滑ります。2人とも片足は氷についていないといけません。

 

E  コレオグラフィックエレメンツ

「コレオグラフィック・ダンスリフト(全てのダンスリフトを終えた後に行う10秒以内のダンスリフト)」あるいは「コレオグラフィック・スピニング・ムーブメント(必須のダンス・スピン後に行われる回転動作)」を行います。15-16シーズンからは「コレオグラフィック・ツイズル・ムーブメント(必須のセット・オブ・ツイズルを行った後に行われるツイズル動作)」も加わりました。

 

サラエボオリンピックでの伝説のフリーダンス

1984年のサラエボオリンピックにおいて、イギリスのジェイン・トーヴィル選手とクリストファー・ディーン選手が行った、アイスダンスのフリーダンスの演目「ボレロ」は伝説となっています。「ボレロ」と言えば、フランスのラヴェルが作曲した、同じメロディが最後まで繰り返される独創的な曲で、曲調が単調なためアイスダンスには不向きと考えられがちですが、そんな想定を覆す完璧な演技を見せた二人は、旧採点における審査員9人全員から芸術点で満点を獲得し、見事金メダルに輝きました。

この演技が人々にあまりに大きなインパクトを与えたため、「ボレロ」はスケート番組のテーマ曲として使用されるなど、フィギュアスケートの象徴的な曲となりました。そして、永久欠番のように、長きにわたりこの曲で滑る選手はいませんでした。

しかし、1994年のリレハンメルオリンピックでは、トーヴィル、ディーン両選手自身が、エキシビジョンとしてこの伝説の「ボレロ」の演技を再演しました。これは、1984年に金メダルを獲得したサラエボの地が紛争地帯になっていることに対し、オリンピックの場から平和への祈りを送るという意味合いがあったそうです。