ステップシークエンスのレベルとは? 必須要素、出来栄え点(GOE)評価, ディープエッジなど

ここでは、ステップシークエンスを採点する際の、レベルのつけかたについて解説していきます。

必須要素

男女シングル、ペア、アイスダンスにおいて、ステップシークエンスは、競技によって下記のような制約が設けられています。

男女シングル、ペア(ショートプログラム)

リンク全体を使用したステップシークエンスが必須。

男子シングル(フリースケーティング)

<ステップシークエンス>

1回まで。リンク全面を使用すること、ジャンプを入れることも可。

<コレオグラフィックシークエンス>

1回まで。あらゆる種類の動作で構成される。リンク全面を使用すること。ステップシークエンス後に行うこと。

女子シングル(フリースケーティング)

<コレオグラフィックシークエンス>

1回まで。あらゆる種類の動作で構成される。リンク全面を使用すること。ステップシークエンス後に行うこと。

 

ペア(フリースケーティング)

<コレオグラフィックシークエンス>

1回まで。あらゆる種類の動作で構成される。スパイラル必須。リンク全面を使用すること。

 

アイスダンス(ショートダンス)

ミッドライン・ノットタッチング・ステップシークエンスまたはサーキュラー・ノットタッチング・ステップ・シークエンス1回、シークエンシャルツイズル1回。

 

アイスダンス(フリーダンス)

ストレートラインステップシークエンス・イン・ホールド、カーヴド・ステップシークエンス・イン・ホールド、シンクロナイズドツイズル。

 

レベルステップ、コレオステップとは

レベルステップとは、難易度によってレベル1~4の判定を受けるものです。

コレオステップは、レベル評価が無く、自由に曲を表現することが求められています。

 

レベルステップのレベルについて

ステップのレベルが高く認定されるためには、下記の要素を満たす必要があります。

  • ターン7つ以上、ステップ4つ以上でレベル2に認定
  • ターン9つ、ステップ4つ以上でレベル3に認定
  • 5種類のターン、3種類のステップ、それぞれ両方向でレベル4に認定
  • 完全に体が回転する両方向への回転
  • 回転がシークエンス全体の1/3をカバー
  • 上半身の動きを使っている
  • 両方向において難しいターンもすばやく組み合わせる
  • シークエンスの半分以上を片足で行う

ステップでレベル4を得られる選手はごくわずかです。日本では浅田真央選手、高橋大輔選手、鈴木明子選手、海外ではパトリック・チャン選手、カロリーナ・コストナー選手などが挙げられます。特に高橋大輔選手のステップは「世界一」と称されるものです。

 

ステップシークエンスのGOE評価

他の要素と同様、ステップシークエンスも出来栄えによってGOEが加減されます。

ステップは、スピードと正確さが評価のポイントとなります。また、音楽とマッチしていて演技の見せ場となっていることも大事です。ターン、ステップの個々の質は非常に厳しくチェックされます。

GOEに関しては、以下の点がチェックされます。GOEの仕組みについて詳しく知りたい場合は「出来栄え(GOE)による加点とは?」を参照ください。

プラス要素

  • エネルギーが十分で焦点が定まった演技
  • スピードがある、加速する
  • 十分に明確で正確なターンとステップ
  • 全身が十分にコントロールされている
  • 独創的でオリジナリティがある
  • 無駄な力が全くない
  • 音楽に合っている
  • 深いはっきりしたエッジ

マイナス要素

  • 転倒、つまづき
  • ステップやターンがシークエンスの半分以下
  • シークエンスのパターンが正しくない
  • ステップやターンの質、姿勢が悪い
  • 半回転以上のジャンプが含まれる

 

「エッジの深さ」とは

GOEのプラス要素のひとつである「エッジが深い(=ディープエッジ)」とはどのようなことを指すのでしょうか。

エッジが深いとは、ブレードに傾斜をつけて滑っているということです。深いエッジに乗り体重をしっかりかけると、力強いトレースを描きながら氷を削り、加速していきます。加速がうまくできると演技の見栄えがするため、エッジに深くのることはとても重要なのです。加速を自在に操れるようになると、「足元が自動で動いているようだ」と評される選手になります。

 

エッジの深さに定評のあるパトリック・チャン選手

パトリック・チャン選手は、加速に定評がある選手です。1歩か2歩だけでトップスピードに達することができ、さらにターンするたびに加速していきます。

スピードが高まると、カーブの際の遠心力も高まるため、スピードを落とさずに曲がるにはやはりエッジを深く倒す必要があります。パトリック・チャン選手は、速やかな加速でえたスピードを殺さずに演技し続ける点でも大変優れています。

こうしたパトリック・チャン選手の足元の技術は、幼少期からコーチのもとでスケーティングの指導を徹底的に受けたことが影響しているそうです。

 

以上がステップシークエンスについての解説でした。フィギュアスケートを観戦すると、はじめはジャンプやスピンなどの技に目が行きがちですが、ステップシークエンスも、演技の表現力において重要なポイントであり、選手の実力や個性も感じられる要素です。