ステップシークエンスに使われる主なステップとターン

ここでは、主なステップとターンの種類について解説していきます。

ステップシークエンスの中でレベル認定されるものは下記のとおりで、ターンが6種類、ステップは7種類あります。

ターン

スリーターン、ツイズル、ブラケット、ループ、カウンター、ロッカー

ステップ

トゥステップ、シャッセ、モホーク、チョクトウ、チェンジエッジ、クロスロール、ランニングステップ

 

今回はこれらについて解説します。

ターン1:スリーターン

軌道が数字の「3」になるためスリーターンと呼ばれます。もっとも基本的なターンで、前向きで滑り、カーブの途中でカーブの回転方向に身体をひねって180度回転し、後ろ向きになるものです。

ターン2:ブラケット

軌道が記号の「{}」(ブラケット)に似ることからこう呼ばれます。スリーターンと同じく、ターンの前と後で同じカーブに乗りつつ前向きから後ろ向きに変えますが、ひねる身体の向きが逆です。ブラケットではカーブの進行方向とは逆にひねります。スリーターンより強いひねりが必要になります。

ターン3:ロッカー

ターンの前と後で、逆方向のカーブにのりS字を描きます。スリーターンと同じく、ターンの前に乗っているカーブと同じ方向に身体を回転させますが、ターンの後は進行方向が変わります。

ターン4:カウンター

S字を描く点はロッカーと共通していますが、ブラケットと同じく、ターンの前に乗っているカーブと逆方向に身体をひねります。また、カウンターは、ブラケットとチェンジエッジを同時に行う技ともいえます。

ターン5:ツイズル

膝を曲げずにエッジの使い分けで回転しながら進みます。手をあげると重心が上にあがって美しく、また回転しやすくなります。

ターン6:バックスリー

後向きで滑り、カーブの途中でカーブの回転方向に身体をひねって180度回転し、前向きになるものです。スリーターンと同じく、数字の「3」のような軌道になります。

ターン7:ループ

NTTマークとも呼ばれます。大きなカーブの中に小さな円を描くターンです。カーブを描きつつフリーレッグを前にもってきてカーブを急にしていき、重心を微調整しつつ小さな円をまわります。

 

ステップ1:モホーク

足を踏みかえて方向転換する最も基本的なステップです。「)」がたてに二つつながったような軌道を描きます。「インーイン」か「アウトーアウト」のエッジにのります。

ステップ2:シャッセ

足踏みをするように見えるステップです。同じカーブの上に左右の足を交互において滑ります。

ステップ3:チョクトウ

足を踏みかえて異なるカーブに乗るステップです。モホークは同じエッジで踏みかえますが、チョクトウは「インーアウト」または「アウトーイン」に踏みかえます。

ステップ4:トゥステップ

つま先をつかったステップの総称で様々なバリエーションがあります。つま先をツツツと突いて踊る、バレエのパ・ド・ブーレのような動きも含まれます。

ステップ5:チェンジエッジ

エッジを変えることによるカーブです。片足でうねるように滑ります。うねる直前のエッジと直後のエッジは、前後が同じでインアウトだけ変わります。

ステップ6:クロスロール

片足のアウトエッジに乗り、反対足をクロスさせます。このときに膝を十分に曲げていないとクロスの幅が小さくなってしまいます。大きくクロスして反対足のアウトエッジに乗りかえたら、最初の軸足を後方でストロークの姿勢まで持っていき、また大きくクロスします。

ステップ7:ランニングステップ

進行方向に次の足を出して同じカーブに乗ることを連続して行います。ランとも言います。はじめの足のエッジと次の足はインアウトが変わります。

 

ステップシークエンスのルーツ、「コンパルソリー」

コンパルソリーとは、フィギュアスケートの語源ともなった、図形(フィギュア)を氷上に正確に描く技術を競う競技のことです。現在は行われていませんが、この競技の課題41個のうち、現在のステップシークエンスにまで名前が残っているものも多くあります。地味な競技であり観戦者も少ないことから徐々にすたれていったこの競技ですが、選手にとっては、基礎的な練習として子ども時代に行った記憶をもつ人も多いようです。なめらかに加速する美しいターンが持ち味のパトリック・チャン選手も、幼少期からコーチにコンパルソリーを徹底的に練習させられたといいます。

また、トップレベルの選手でも、基礎力を高めるためにコンパルソリーに立ち返る場合もあります。世界一のステップと評されるほど足さばきに定評のある髙橋大輔選手は、2009年に右ひざを手術した後のリハビリの時期、ジャンプを飛べないためコンパルソリーを集中的に練習したそうです。すると足首や股関節の使い方が安定したためにシットスピンでより深くしゃがめるようになったり、ターンやステップの加速や滑らかさに変化が見られるようになったそうです。そして復帰後、2010年の世界選手権では4本のステップシークエンスのうち3本がレベル4と認められるほどの美しい足さばきを披露するに至りました。