4回転ジャンプの種類、歴史、最近の動向

ここでは4回転ジャンプについて解説していきます。

4回転ジャンプは難易度が高いジャンプとされ、以前は跳べる選手が男子のごく一部に限られていましたが、最近の選手の進化はめざましく、フィギュアスケートの男子シングルで世界のトップに立つためには欠かせない要素となっています。

 

4回転ジャンプの歴史 ~トゥループから

最初に4回転ジャンプに挑んだ記録として残っているものは、1983年にヘルシンキで開催された世界選手権において、ソ連のアレクサンドル・ファデーエフ選手が挑んだトウループでした。しかし、このときは手をついたために成功とはなりませんでした。

その後、1986年の欧州選手権で、チェコスロバキアのジョセフ・セボブチック選手が同じ4回転トウループにチャレンジし、いったんは承認されたものの3週間後に「フリーレッグ(着氷していない方の足)をついていた」という理由で不成功とされていました。

4回転ジャンプを世界で初めて公式戦で成功させたのは、1988年の世界選手権における、カナダのカート・ブラウニング選手でした。この時も4回転トゥループです。

 

男子シングルの戦いで4回転ジャンプがカギになる時代へ

時代が下り、4回転ジャンプが安定して跳べる選手が現れた時、男子シングルは4回転ジャンプが試合の要となっていきます。

カナダのエルビス・ストイコ選手は、武道家でもあるため体幹の強さがほかの選手とは一線を画しており、1991年世界選手権で史上初の4トウループ+2トウループのコンビネーション、1997年のグランプリファイナルでは史上初の4+3トウループコンビネーションを成功させました。こうしてほかの選手たちも、勝ち抜くには4回転ジャンプに挑まざるを得なくなっていきます。

さて、上記の4回転ジャンプはすべてトゥループでしたが、では、他の種類の4回転ジャンプを跳べる選手はいるのでしょうか。

サルコウ

トゥループの次に挑戦されているのはサルコウです。4回転サルコウを初めて成功させたのは、アメリカのティモシー・ゲイブル選手で、1998年ジュニアグランプリファイナルでのことでした

ループ

サルコウの次に難易度が高いとされているジャンプはループジャンプです。それまで長らく成功者はいませんでしが、2016年、日本の羽生結弦選手がカナダのオータムクラシックインターナショナルで世界初の4回転ループジャンプを成功させました。

フリップ

4回転フリップジャンプは、高橋大輔選手が2010年トリノ世界選手権のフリープログラムでチャレンジしましたが、回転不足とされてしまいました。

その後、2016年4月に開催された、ISU認定のチームイベント「コーセー・チームチャレンジカップ」にて、宇野昌磨選手が、史上初めての4回転フリップに成功し、のちにギネス世界記録に認定されました。

ルッツ

4回転ルッツは、2011年、米国のブランドン・ムロズ選手が成功させました。同じく米国のアダム・リッポン選手も現在挑戦中ですが、公式戦での成功例はまだありません。最近、2015年の中国杯において、中国のボーヤン・ジン選手が4回転ルッツと3回転トウループのコンビネーションジャンプを成功させました、4回転ルッツをコンビネーションで成功させた選手は世界初で、フィギュアスケートの歴史の新たな一幕となる快挙でした。

 

最近の男子の4回転ジャンプ戦線とは

男子選手のジャンプ技術の進化は著しく、ソチオリンピックではフリープログラムを滑った24人中17人が4回転ジャンプをプログラムに盛り込み、うち3人が2種類の4回転ジャンプを入れてきました。

実のところ、これまでの4回転ジャンプの先駆者たちのほとんどは、優勝候補の選手ではありませんでした。優勝候補の選手は確実に跳べるジャンプを跳んで表彰台を狙いますから、むしろそれ以外の選手がリスクを覚悟で難度の高い4回転ジャンプに挑んでいたという経緯がありました。上記の4回転ジャンパーの多くは、4回転を初成功させた大会においても大会の成績自体はふるわないことがほとんどでした。

しかし、現在の採点方式になってからは、4回転ジャンプをきちんと跳べば一躍高得点を獲得できることになっています。4回転ルッツのポイントは13.60であり、3回転アクセル+3回転トウループを跳ぶよりも高得点なのです。そのためトップを狙う男子選手にとってはいかに4回転ジャンプをものにするかが勝利のカギとなっています。

 

女子の4回転は?

女子は、男子に比べて筋肉量が少なくジャンプの高さが出ないので、4回転ジャンプまでに至る選手はほとんどいません。唯一、安藤美姫選手が2002年ジュニアグランプリファイナルで成功させたのが記録として残っています。

2016年の羽生結弦選手の新4回転ジャンプ

2016年9月、羽生結弦選手がショートプログラムとフリースケーティングを初公開し、まだ誰も成功したことのない4回転ループを組み込むことがわかりました。さらに4回転サルコー、3回転サルコーの連続技も入っており、世界最高得点の更新も期待されています。

その後、羽生選手は、2016年10月のカナダ・オータムクラシックにて、世界で初となる公式試合における4回転ループに成功しました。

 

以上が4回転ジャンプについての解説でした。各ジャンプの跳び方については別ページで解説していきます。