ジャンプの回転不足、エッジエラー、減点について

ここでは、ジャンプの回転不足、エッジエラー、減点について解説します。

回転不足

ジャンプには回転不足という概念があります。ジャンプを跳んだ際、90度以上の回転不足とみられると「アンダーローテーション」として基礎点が7割になってしまいます。また、180度以上の回転不足は「ダウングレード」とされ、1回転少ないジャンプの基礎点が適用されてしまいます。

例えば4回転トウループを跳ぼうとした際、回転が十分(回転の不足が無い、または回転の不足分が1/4回転以下)であると判断された場合は、4回転トウループの基礎点10.3を獲得できます。しかし回転が1/4回転から1/2回転不足していると判定された場合は、4回転トウループの基礎点の70%にあたる7.2が基礎点となります。さらに、回転が1/2回転以上不足していると判定された場合は3回転トウループの基礎点4.1が与えられることになります。

トウループは、6種類のジャンプのうち最も難易度が低いとされているため、基礎点も低くなっています。4回転トウループに挑戦して失敗するよりは、確実に跳べるトゥループ以外の3回転ジャンプを成功させた方が基礎点が高くなる可能性が多いです。ジャンプの構成を組む際はこうした駆け引きも重要となってきます。

なお、ジャンプ同様に回転数が判定されるペアのツイストリフトについては、アンダーローテーションに該当する判定は無く、回転の不足分が1/2回転以上の場合のみダウングレードが適用される仕組みです。

 

ジャンプの回転数をめぐる駆け引き

大技に挑戦すべきか、大技を避けて確実に成功できる技にするかは、選手にとって重要な選択です。2010年の全日本選手権では、ジャンプの不調が続く浅田真央選手が難易度の高い3回転アクセルジャンプを跳ぶかどうかが注目されました。当時のコーチは『成功率が低い今の状態では跳ばないのが常識的な選択だが、判断は本人にまかせる』としました。浅田選手はぎりぎりまで考えましたが、挑戦することを選び、卓越した集中力で見事3回転アクセルジャンプを成功させました。

 

エッジエラー

ルッツジャンプとフリップジャンプにおいて、ルッツは左足アウト、フリップは左足インのエッジに乗るのが正しいですが、これを間違えてしまうと減点されます。明らかに不正、もしくは明らかな不正とは言えないまでも不正確なエッジの場合、技術審判はエッジエラー(e)とします。そして演技審判はエッジの不正確さ加減をGOEに反映させます。

エッジエラーのルッツはフルッツ、エッジエラーのフリップはリップと呼ばれることがあります。

 

減点(ディダクション)

フィギュアスケート競技では、行ってはならない禁止行為があります。違反行為を行った場合は、技術点とGOEの和から減点(ディダクション)がなされます。

減点される行為は以下の通りです。

転倒

1度から2度目では1回につき-1.0点、3度から4度目では1回につき-2.0点、5度目以降では1回につき-3.0点

時間超過または不足

5秒につき-1.0点

バックフリップなどの禁止されている要素

1つにつき-2.0点

小道具使用などの衣装の違反

-1.0点

ペア要素での落下

1回につき -1.0点

10秒以上の中断

10秒につき -1.0点(やむをえない場合は除く)

 

以上が、回転不足、エッジエラー、減点についての解説でした。採点について更に詳しい情報を得たい場合は「フィギュアスケートの採点方法」「技術点(TES:テクニカルエレメンツスコア)とは?」「出来栄え(GOE)による加点とは?」などを参照してください。