アクセルジャンプとは?跳び方、特徴、挑戦の歴史

ここでは、ISUが定める6種類のジャンプのうちアクセルジャンプについて解説します。

アクセルジャンプとは

ISUが規定する6種類のジャンプのうち、前向きに踏み切る唯一のジャンプです。そしてほかのジャンプと同様後ろ向きに着氷します。そのため、後ろ向きに踏み切って後ろ向きに着氷する他のジャンプよりも、半回転多く回転する必要があり、そのため6種類のジャンプのうち最も難易度が高いと言われています。また、日本で「~回転半ジャンプ」とも呼ばれるのはこの点に由来しています。

4回転ジャンプは、いくつかのジャンプでは跳べる選手が存在していますが、最も難易度の高い4回転アクセルジャンプを公式戦で成功させている選手はまだいません。

 

アクセルジャンプの跳び方

滑り方は、まず助走は右足の後ろ向きにアウトエッジで滑り、振り返って前向きになって左足のアウトエッジで踏み切ります。踏み切った後は、右足を振り上げて右ももに身体を引き寄せていき、右足を軸とした空中軸を作ります。着氷は右足のバックアウトです。

 

アクセルジャンプの特徴

6種類のジャンプの中で最も回転力、飛距離を得やすいジャンプとされています。というのもこのジャンプは、左足バックアウトサイドに重心を乗せた状態から、重心を左足フォアアウトサイドに移動させると同時に、右足を回転方向と同じ方向に振り上げ跳び上がり、なおかつ振り上げた右足をそのまま空中での軸とすることができるためです。

 

アクセルジャンプの採点

難易度が高いアクセルジャンプは、基礎点も他のジャンプとは一線を画して高いものとなっています。たとえば3回転同士で比べると、最も難易度が低いトウループが4.1、それ以外のジャンプは4.2~6の中で配置されているのに対し、アクセルは8.5となっています。つまり、同じ3回転でもトウループとは2倍の差があるのです。そして、その分出来栄えによる加減点(GOE)幅も大きく設定されています。

 

アクセルジャンプのショートプログラム、フリースケーティングでの位置づけ

ショートプログラムにおいては、シングルの男女ともに2回転または3回転のアクセルジャンプを跳ぶことが必須要素となっています。なお、フリースケーティングにおいては、シングルの男女ともに、このジャンプのみ、最低1回は入れなければならないとされています。

 

スリージャンプについて

1回転半に満たないアクセルジャンプ(単に半回転のジャンプ)はスリージャンプ(またはワルツジャンプ)と呼ばれています。ジャンプの初歩に、練習として導入されることが多いです。採点上は、1回転から基礎点がつくので、このジャンプに得点はつきません。

 

アクセルジャンプの考案者

ISUが認定する6種類のジャンプのうち、アクセルジャンプは一番新しいものです。

アクセルジャンプは、1882年のウィーンで開かれた国際大会において、ノルウェーのアクセル・パウルゼン選手が跳んだのが始まりとされています。パウンゼン選手は1870年代からスピードスケート選手としても活躍した人物で、「スケートで最速の男」と呼ばれていました。アクセルジャンプを初めて披露した際も、フィギュアスケート用ではなくスピードスケート用の靴で飛びました。1920年には同じノルウェーのソニア・ヘニー選手が女子選手として初めてシングルアクセル(1回転半)を跳びました。

 

アクセルジャンプの進化

1948年、サンモリッツオリンピックでアメリカのディック・バトン選手がダブルアクセルを成功させました。さらに1953年には同じくアメリカのキャロル・ヘイス選手が女子選手として初めてダブルアクセルを成功させました。

1978年にカナダのヴァーン・テイラー選手が世界選手権でトリプルアクセルを成功させました。

 

トリプルアクセルと日本人女子選手

1988年にNHK杯で日本の伊藤みどりが女子選手として初めてトリプルアクセルに成功させて日本中の話題となりました。

ちなみに現在、女子の公式試合でトリプルアクセルを決めたことがある選手は伊藤みどり選手、トーニャ・ハーディング選手、中野友加里選手、リュドミラ・ネリディナ選手、浅田真央選手、エリザヴェータ・トゥクタムィシェワ選手、紀平梨花選手の7名です。7名中4名も日本人選手が入っています。特に浅田真央選手は、2010年のバンクーバーオリンピックで、1大会に女子最多の計3回のトリプルアクセルを成功させたとしてギネス世界記録に認定されており、今後の成長が期待される選手です。また、ペアだと、2006年にアメリカの井上怜奈選手とジョン・ボルドウィン選手のペアがトリノオリンピックペアのショートプログラムにおいて、ISU公式戦初となるスロートリプルアクセルを成功させています。

 

前人未踏の4回転アクセル

4回転アクセルジャンプを公式戦で成功させた選手はまだ現れていません。男子では、ほかの5種のジャンプの4回転を跳べる選手が増えてきたこともあり、近いうちに成功させる選手が現れるのではないかという期待が持たれています。

羽生結弦選手も練習しているそうです。