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パトリック・チャン「世界選手権で引退するか、平昌まで続けるか」

世界選手権を終えたときに、チャンはどのような決断をするのだろうか。男子シングルの一時代を築いたスケーターが、2年後の平昌オリンピックへとつながる滑りを見せてくれることを期待したい。


スケーティング技術の高さで多くのファンを魅了してきたカナダのパトリック・チャン。ソチオリンピックで銀メダルを獲得し、1年間を休養にあてた後、今シーズン競技に復帰した。スケートカナダで羽生結弦をおさえて優勝するも、グランプリ・ファイナルでは羽生、ハビエル・フェルナンデス、宇野昌磨に続く4位となり、表彰台を逃す。四大陸選手権では、フリーで自己ベストを更新して貫禄の優勝。元世界王者の健在ぶりを見せながらも、浮き沈みが大きい印象を与えるシーズンとなっている。

チャンが、数日後に迫った世界選手権を競技人生の「ターニングポイント」と語った海外記事を紹介することにしたい。平昌オリンピックまでの2年間について、チャンは次のような見通しを述べている。

来シーズンも競技を続けると決めたら、あと2年はやるつもりです。来シーズンいっぱいでやめるつもりはありません。なぜなら、それはとても恥ずべきことだからです。来シーズンを休養にあて、オリンピックシーズンに復帰するというのも、戦略として完全にばかげています。ですから、今シーズンが終わったときに、続けるかどうかを決めることになります。

来シーズンも現役を続行すると決めたら、オリンピック・イヤーとなる2年後のシーズンまで続ける。来シーズンを休養にあて、2年後に復帰するようなリスクはとらない。つまり、今シーズンの世界選手権を最後に引退するか、2年後の平昌オリンピックまで続けるか、その2つに1つの選択肢しかないということのようだ。

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◆ 元世界王者が挑む7度目の世界選手権

2011年、2012年、2013年と3年連続で世界王者となり、圧倒的な強さを誇ってきたパトリック・チャンだが、今回の世界選手権では、必ずしも金メダルの最有力候補ではない。彼は次のように語っている。

私は今、技術的に不利です。ショートプログラムとフリープログラムで合計5つの4回転ジャンプを跳ぶような選手たちと戦っています。私は、2つのプログラムを通して3つの4回転しか跳びません。これまで一体だれに、3つより多くの4回転を跳ぶ選手が出てくると想像できたでしょうか?

チャンが世界選手権を連覇した3、4年前と比べると、男子の4回転の数と種類は確実に増えている。羽生とフェルナンデスは、ショートとフリーで5つの4回転を組み込んでいるし、中国のボーヤン・ジンは、4回転ルッツを含む6つの4回転に挑んでいる。スケーティング技術の高さでは他の追随を許さないチャンだが、急速に進む構成の高難度化からは少し距離を置いているのも事実だ。

(写真)フリーでミスが相次ぎ銀メダルに終わったソチオリンピック。金メダルの羽生を讃える


「これぞフィギュアスケートという作品を世に残したい」という理由で現役復帰したパトリック・チャン。四大陸選手権で自己ベストを更新したフリーは、まさにその言葉通りとも言える圧巻の滑りだった。今回の世界選手権がチャンにとって最後の試合になる可能性は、どれくらいあるのか。彼の見通しは、楽観的なようである。

今シーズンは健康状態もよく、大きな障害にぶつかることもありませんでした。私はさまざまな物事のリズムや再び競技で戦う感覚を取り戻しつつあり、それを楽しんでいます。次の2年のいいスタート地点になると思います。

世界選手権を終えたときに、チャンはどのような決断をするのだろうか。男子シングルの一時代を築いたスケーターが、2年後の平昌オリンピックへとつながる滑りを見せてくれることを期待したい。

Patrick Chan to choose between retirement, Olympic run after Worlds