ルッツジャンプとは?跳び方、エッジ判定、近年の動向

ここでは、ISUが定める6種類のジャンプのうち、ルッツジャンプについて解説します。

ルッツジャンプとは

ルッツジャンプは、ISUが規定する6種類のジャンプのうち唯一、「助走のときの回転方向」と「空中での回転方向」が逆になるジャンプです。これをカウンタージャンプといいます。この逆となる点により、ルッツジャンプは、6種類のジャンプの中で2番目に難易度が高いとされています。

 

ルッツジャンプの跳び方

跳び方は、まず助走は左足の後ろ向きにアウトエッジで滑り、その後右トゥを突いて飛び上がり左回りをします。上半身はトゥを突くまでは右方向にひねっておきます。助走の回転方向と、空中の回転方向がことなり、軌道がS字になることが難易度の高さにつながっています。

トゥを突いたあとは、左足が氷を離れる瞬間までアウトのエッジに乗っておかなければなりません。これが途中でインになったと判定されると、エッジエラーとなってしまいます。

 

エッジ判定

ルッツジャンプとフリップジャンプは相似していますが、前者は左足のアウトエッジに乗り、後者は左足のインのエッジに乗る点が異なります。右のトウをついてジャンプする点は共通です。

ルッツジャンプを跳ぶ際、インサイドエッジで踏み切ってしまい、実質フリップジャンプとなってしまった場合は減点されます。また、明らかに不正、もしくは明らかな不正とは言えないまでも不正確なエッジでの踏み切りが行われた場合はエッジエラー(e)となります。この時、演技審判はエッジの不正確さ加減を各自判断し、GOEにおいてこの宣言を考慮した評価をしなければなりません。エッジエラーのルッツはフルッツと呼ばれることがあります。

 

ルッツジャンプの基礎点

基礎点もアクセルジャンプに次いで2番目に高く設定されています。

 

ルッツジャンプの考案者

オーストリアのアロイス・ルッツ選手が考案者です。ルッツ選手は1913年にウィーンで開かれた競技会で初めてルッツジャンプを跳びました。ルッツジャンプはトウピックを使ったジャンプとして最初に考案されたジャンプでした。

 

ルッツジャンプの進化

1925年には同じオーストリアのカール・シェーファー選手がダブルルッツに成功しました。さらに1942年にはカナダのバーバラ・アン・スコット選手が女子選手として初めてダブルルッツに成功しました。

1962年、カナダのドナルド・ジャクソン選手がトリプルルッツに成功しました。また、1978年には、ビールマンスピンの由来にもなった、スイスのデニス・ビールマン選手が女子選手として初めてトリプルルッツを成功させました。

 

4回転ルッツ

ジャンプの中で2番目に難しいルッツは、長らく4回転を跳べる選手があらわれませんでした。しかし2011年のNHK杯で、アメリカのブランドン・ムロズ選手がはじめて成功させました。

その後、2015年にシニアに本格デビューした18歳中国のボーヤン・ジン選手が、四回転ルッツ と三回転トウループのコンビネーションを成功させたのは記憶に新しい出来事です。このコンビネーションは現在のフィギュアスケート界で最も難度の高いものとされています。

なお、4回転ルッツの基礎点は13.6であり、このジャンプを1回成功させればトリプルアクセル(8.5)+トリプルトウループ(4.1)のコンビネーション(12.6)よりも高得点を獲得できます。そのため今後の男子シングルの戦いは、4回転ジャンプを成功させることがカギとなっていくと予想されます。

羽生結弦選手も、4回転ルッツを練習中とのことで、3人目の4回転ルッツの成功者となるかもしれません。