サルコウジャンプとは? 跳び方、基礎点、難しさと近年の動向

ここでは、ISUが定める6種類のジャンプのうち、サルコウジャンプについて解説します。

サルコウジャンプとは

左足バックインが踏み切り足で、フリーレッグの遠心力を使用する、エッジジャンプです。

考案者のウルリッヒ・サルコウの名前をとってサルコウジャンプと呼ばれています。

サルコウは非常に自然の理にかなった跳びかたをするため、難易度は、6種類のジャンプの中では易しい方とされています。

エッジが氷を離れるまでに上体が先に半回転して、さらにエッジも離氷前に氷上で半回転するのが特徴です。そのため実質的な回転数が少なく、これも難易度が低いことの理由です。

 

サルコウジャンプの跳び方

最初は左足でフォアアウトエッジで滑ってきて、途中で後ろ向きにターンして左足バックインとなります。そのターンの時の回転力を利用しつつ、いままで後ろに置いてあった右足を左前方向に振り上げ、さらに回転方向に向けて振り上げて、遠心力を利用しつつジャンプします。ジャンプする前に足がハの字に見えます。重心は、空中に出る前までは左のままです。踏み切り後は、右足を振りあげて、右のももに身体を引き寄せていきます。そして右足から頭の一直線で体軸を作ります。着氷は右足のバックアウトとなります。

 

サルコウジャンプの回転力について

冒頭で、サルコウは非常に自然の理にかなった跳びかたであると解説しましたが、これはどういうことでしょうか。

まず、助走時の左足バックインの軌道によって体にかかってくる力が、空中での回転方向と共通しています。そして右足は、軌道の内側にあることとなり、これをそのまま前に押し出せば、すでにかかっている力を増幅する方向で回転力を得ることができるのです。

 

サルコウジャンプの基礎点

基礎点もアクセル、ルッツ、フリップ、ループジャンプに次いで5番目に高く設定されています。

 

3回転以上の難易度

サルコウとトゥループは、6種類のジャンプの中で難易度が低いとされている2種です。トゥループの方が難易度が低いとする人が多いですが、サルコウの方が簡単だという人もいます。

ISUの基礎点では、1回転、2回転においてサルコウとトゥループは同じ点数になっています。

ただし、3回転あたりからはトゥループよりもサルコウの方が難易度が高くなり、基礎点も3回転から開きが出てきます。

これは、サルコウはトゥを付かないエッジ・ジャンプなのに対し、トゥループはトゥを突くジャンプであるためです。トゥを突くジャンプは、氷面にトゥを突く時の反動で身体を上方向に高く持ち上げることができます。そしてジャンプに高さを出すことができます。対して、トゥを突かないエッジジャンプでは、フリーエッグの遠心力を使って跳ぶことになるので、筋力が無いと高いジャンプを跳ぶのは難しくなります。

このため、高い滞空時間がないと回りにくい3回転以降は、エッジジャンプであるサルコウジャンプの方が難易度が高くなっていきます。

この差は回転数が上がるほど影響が大きくなってくるので、ISUの基礎点では、サルコウとトゥループの点差は、3回転において0.1、4回転において0.2となっています。

 

サルコウジャンプの考案者

サルコウジャンプの考案者は、ウルリッヒ・サルコウ選手です。1909年にスウェーデンで跳んだのが始まりとされています。そして、1920年にはアメリカのテレサ・ウェルド選手が女子選手として初めて1回転サルコウジャンプに成功しました。

 

サルコウジャンプの進化

その後、1926年にスウェーデンのギリス・グラフストローム選手が男子選手として初めてダブルサルコウジャンプに成功しました。追って1937年には、イギリスのセシリア・カレッジ選手が女子選手として初めてダブルサルコウジャンプに成功しました。

2回転ジャンプの成功から30年近くたった1955年、アメリカのロナルド・ロバートソン選手が世界で初めてトリプルサルコウジャンプに成功しました。その後、1962年にはカナダのペトラ・ブルカ選手が女子選手として初めてトリプルサルコウジャンプに成功しました。

 

4回転サルコウ

サルコウジャンプの3回転から4回転への進歩に至るまでには、さらに40年ほどの時間が経過します。

1998年、アメリカのティモシー・ゲーブル選手がはじめて4回転サルコウジャンプに成功しました。

そして、女子選手では、2002年に当時14歳だった日本の安藤美姫選手が世界初の4回転サルコウジャンプを成功させます。難易度の低いトゥループではなく、サルコウで4回転を成功させたのは、彼女の得意なジャンプだったからです。彼女の成功以降、今でも、4回転ジャンプを公式戦で成功させた女子選手はほかに現れていません。最近では、15歳の樋口新葉選手が挑戦したいと公言して話題となっています。

日本人男子の4回転サルコウジャンプの初の成功例は、2003年四大陸選手権における本田武史選手です。

そして、ペアでは、2007年、アメリカのティファニー・ヴァイス選手とデレク・トレント選手が初めて4回転スローサルコウジャンプを成功させました。