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四大陸選手権完勝、宮原知子が見据える世界女王への道

四大陸選手権を優勝した勢いを維持したまま、ボストンで昨年の銀メダルを超えることができるのか。今シーズンの宮原の急成長は、それを期待させるに十分なものだ。

 

2位が多いので、いつか1位になって、タイトルをとりたいです。改善できる部分はたくさんあります。まだまだ成長できると思います。今すぐ一番になれないかもしれませんが、沢山練習を積んで、一歩ずつ前に進んでいきたいです。

四大陸選手権前の宮原知子の発言(注:英語からの翻訳)が、アメリカのメディアで大きく取り上げられている。宮原は昨シーズンの四大陸選手権、世界選手権、今シーズンのグランプリファイナルで表彰台に上り続けたが、メダルの色はすべて銀だった。

そんな宮原が国際主要大会ではじめて金メダルを手にした試合が、今年2月に行われた四大陸選手権だった。宮原は、ショート・フリーともに自己ベストを更新する214.91点を叩き出し、2位以下を大きく引き離して完勝した。

今シーズンの宮原は、試合を重ねるごとに、プログラムに磨きがかかり、安定さを増しているような印象を与える。ショート・フリーともにクリーンに滑るということを、いとも簡単にやってのける稀有な選手だ。

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◆ジャンプ改善への弛まぬ努力

今では全日本女王の貫禄を漂わせる宮原も、ジャッジにきちんと評価されるジャンプを跳べるようになるまでに、長い時間をかけてきた選手の1人である。

思い返せば、2013年世界ジュニアフィギュアスケート選手権で、宮原はショート・フリーともに、大きなミスや転倒もなく滑り切ったように見えたが、実際には大半のジャンプに回転不足やエッジエラーがとられていた。ショートで跳んだ4個のジャンプのうち3個、フリーで跳んだ11個のジャンプのうち6個、計9個のジャンプが回転不足と判定され、またエッジエラーの判定を受けたジャンプもショートとフリー合わせて4つあった。結果、得点は伸び悩み、総合で7位に終わっている。今から3年前のことである。

先日行われた四大陸選手権では、回転不足やエッジエラーをとられたジャンプは1つもなく、すべてのジャンプに出来栄えでプラスの評価を受けていた。宮原を指導する濱田美栄コーチが「努力家」と形容するように、自らの課題と向き合い、それを克服するための地道な努力がなければ、彼女はおそらく今のポジションにいないだろう。

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◆「もっと表情豊かに」

彼女はこれからどこまで成長していくのか。自身の今後の課題について、記事では次の発言が取り上げられている。

私の一番の武器は、一貫して、大きなミスをあまりしないところです。でも、外国のトップスケーターと比べると、プレゼンテーションが少し弱いと思います。特に、顔の表情です。演技をしているあいだ、控えめな性格が出てしまいがちなのですが、もっと表現豊かになりたいです。

自分の性格を変えられるとは思っていませんが、滑っているときは、大勢の観客の皆さんの前で何かをしようとしているのではなく、自分が本当に好きなことをしているんだと思うようにしています。そうすれば、よりリラックスして、自分の一番いい部分を出すことができますから。

フラメンコの先生からは、ショートプログラムでは「ねえ、私はこんなに素敵なのよ」とアピールしなければならないと教えられました。でも本番の演技になると、理想の80パーセントくらいしか表現できていません。控えめでなくなって、もっと感情を出したいです。トレーニング中だけでなく、リンクの外でも。

フィギュアスケートは、ほかの多くの競技と異なり、観客をひきつける表現力が求められる。宮原は、自身の「控えめ」な性格を、競技者として乗り越えるべきものであると考えているようだ。

技術面に関して、彼女は次のように語っている。

スピンやステップで、もっと加点をもらえると思います。それに、試合よりも練習のときのほうが、ジャンプの質がよいです。実際の試合でも、この部分をよくしていきたいです。

シーズン中に今の構成を変更することはないと思います。でも、3回転−3回転の連続ジャンプがもっと安定したら、プログラムの後半に組み込みたいです。将来的には、トリプルアクセルが必要になると思います。

宮原の発言からは、自分のことを「控えめ」と形容しながらも、飽くなき向上心を持ち続ける一人のアスリートの姿が浮かび上がってくる。

宮原が銀メダルを獲得した昨シーズンの世界選手権、今シーズンのグランプリファイナルで、表彰台の中央に立ったのはいずれもロシアの選手だった。3月の世界選手権では、ロシアからはエフゲニア・メドベージェワ、エレーナ・ラジオノワ、アンナ・ポゴリラヤら3名の選手が出場することが決定し、きわめてハイレベルな戦いが予想される。

四大陸選手権を優勝した勢いを維持したまま、ボストンの地で昨年の銀メダルを超えることができるのか。今シーズンの急成長は、それを期待させるに十分なものだ。

Japan’s Miyahara gains confidence