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ジョニー・ウィアー「羽生結弦のNHK杯は、永遠に語り継がれる出来事の一つだ」

羽生結弦が「憧れの存在」として尊敬するジョニー・ウィアーが、昨年12月にアメリカで行われたツリー点灯式で、NHK杯での羽生の演技に最大級の賛辞を送った。


2015年-16年シーズンの羽生結弦は、本人がしばしば口にする「絶対王者」の姿に限りなく近づいている印象を与える。11月に行われたNHK杯では、それまでパトリック・チャンが持っていた295.27点を大きく上回る322.40点を出して世界記録を更新した。次戦のグランプリファイナルでは330.43点を叩き出し、自身が持つ世界記録をわずか2週間で更新してみせた。

そんな羽生がジュニア時代より「憧れの存在」として名前を挙げる2人の男子選手がいる。一人は、ロシアのエフゲニー・プルシェンコ。トリノオリンピック金メダル、ソルトレイクシティオリンピック・バンクーバーオリンピック銀メダル、世界選手権優勝3回という輝かしい戦績を残し、圧倒的な強さとカリスマ性で多くのファンを魅了してきた。

そしてもう一人が、アメリカのジョニー・ウィアーだ。2008年世界選手権銅メダル、全米選手権3連覇、トリノオリンピック5位、バンクーバーオリンピック6位という戦績を残して、2013年10月に惜しまれながら引退した。成績こそプルシェンコには及ばないものの、芸術性の高さと中性的な容姿で世界中のファンを惹きつけてきた。

現在、ウィアーは長野オリンピック女子シングル金メダリストのタラ・リピンスキーとともに、アメリカNBCのフィギュアスケート解説を担当している。メダル候補の選手やベテラン選手に対しても、精彩を欠いた演技であれば「芸術面ではジュニア」「機械的な滑りで雑な印象」などと歯に衣着せない物言いの解説が受けて、アメリカで多大な支持を集めている。

そんなウィアーが、昨年12月に行われたツリー点灯式で、NHK杯での羽生結弦の演技に最大級の賛辞を送った。

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◆「羽生のNHK杯のスコアには誰も近づけない」

ウィアーは、NHK杯での羽生の演技を「フィギュアスケート史上ベスト5入りする演技」としたうえで、次のように語っている。

(NHK杯の羽生の演技について)永遠に語り継がれる出来事の一つだ。

ついにその瞬間が訪れた。このスコアに近づく選手が現れるまでにどれくらい時間がかかるか、僕にはわからない。

ウィアーがここで語っているように、NHK杯での羽生の演技は、このスコアは当分越すことができないだろうと思わせるインパクトをスケート界に与えるものであった。実際にはグランプリファイナルで羽生自身がこのスコアを破ることになるのだが、シーズン後半に入ってから、ハビエル・フェルナンデスやパトリック・チャン、ボーヤン・ジンなどが、試合で次々と自己ベストを更新したのも、NHK杯での羽生の演技が起爆剤となっていた面があったと見ていいだろう。ほかのライバル選手たちが、羽生の叩き出したスコアにどこまで近づくことができるのか。今後の男子シングルの見どころの一つになりそうだ。

ウィアーがフィギュア史上ベスト5に入ると考える歴代スケーターたちの演技は、以下の5つである。